NHKの「決断」ってドキュメント番組で、昨日はジャパネットたかたの高田明社長が特集されてましたね。
高田社長の引退はすでに報じられていたところでの特集。
内容もなかなか面白かったなって思います。
中小零細企業では経営者の影響がそのほとんどを占めるところ、ジャパネットたかたは1000億円を超える売上高がある企業。
上場はしてないものの、企業規模は言わずもがななわけで。
そんな企業規模でありながら、高田社長は影響力の絶大な経営者であり、誰よりも売り上げる営業マンであり、企業を表すブランドそのものなわけで。
これをどう承継させるかってのは、よもや“引退の決断”だけでどうこうなるはずがない。
番組では、自分がすべてを担うビジネスモデルに限界を感じたところからの決断でしたね。
そこから息子さんをはじめ若い従業員の発想を取り入れるようにしたとか、そのなかで次期社長の息子さんに「任せる難しさ」だとか、テレビショッピングの司会の育成とかいろいろあったんだけど、それらは会話を通して承継させるような場面が多かったなぁ。
いや、承継というより経験からの伝授みたいな感じ?
現実として、あんな感じで承継ができるかと言われたら、「んなわけない」だと思いたい。(笑)
新しい発想や変化させることはいいとして、高田社長が築き上げたものはどう承継させようとしたのかが気になって仕方ないです。
と思いつつ、本当に伝授方式のみだったら驚愕だな。
高田社長には引退された後に、事業承継の書籍をだしてほしいです。
知的資産経営で言えば、こうした高田社長のような場合は強烈な「人的資産」になる。
えぇ、それはもう強烈な。
高田社長ご自身が強い資産であって、引退するとその強い資産がごっそり無くなってしまう。
なので、そんな資産を企業にずっと残るような資産(構造資産とか言います)に変換できやしないかって考えるわけです。
でも、番組を観てるとちょっと違った部分も感じたわけです。
次期社長の息子さんにしろ、テレビショッピングの司会者さんにしろ、高田社長からの伝授や自身の努力と研鑽で高田社長の築き上げてきたものを吸収しようとしてる。
そのうえで、自身のオリジナリティを模索してもいる。
そんな様子を観ていると、高田社長という人的資産が、次世代の新しい人的資産を生み出しているようにも感じたんですよね。
つまり、人的資産を構造資産に変換させるシステム作りはもちろん大事であり、それに加えて人的資産が新しい人的資産を生み出していく連鎖のようなシステム作りもあって然るべきなんじゃないかっても思えて仕方ないのです。
事業承継の奥の深さは考えれば考えるほどにその深さを増していくなぁ。
うーん、やっぱり高田社長には事業承継の経験でもいいから書籍を出してほしいもんです。
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