血の通う定款であれ

今月は定款業務がいくつかあって、作成なりチェックなりを重ねると、定款ってば性格でるなぁと思ったりする。

“法人”って言うだけあって法律上ではあっても人格を得てるもの。

そんな人格の性格を、定款が表現してるんじゃないかと感じるわけです。

 

ネットじゃ法人設立も含めて格安の定款を作成してくれるところもたくさんあるわけで、有り難い世の中だなと感心しますよね。

そんなネットでの定款も当然ちゃんとしたものばかりだし、画一的な内容になりがちではあるけれど、やっぱり性格が出る。

当然、僕が作成させてもらうのは面談を繰り返して作りこんでいくわけで、ご依頼いただいた先方様の性格が反映されるわけです。

ネットの場合と、僕のような面談で作りこむ場合との違いは、前者は作り手(作成代理人の行政書士等ですね)の性格で、後者は依頼主の性格が表れるってところかな。

定款をじっくり読むと、作成代理人の癖のようなものを感じたり、内容の濃い定款だと会社の将来像まで感じられたりもする。

 

いずれにしても、その定款に血が通っているかどうかは重要だと強く思います。

 

前文があるような、はっきりと会社の理念や想いが入ったものは分かりやすいですよね。

利益追求のみに囚われない、会社が存在する意味を前文として書き込んである定款はやっぱり事業への熱意を感じます。

これから行政や金融機関といったところに定款を提出することもあるだろうけど、定款で事業を伝えられるのは大きな意味を持つんじゃないでしょうかね。

 

そこまでじゃなくても、会社のどういう場合を想定して、それに対してどういう対策を採っているのかが見える定款も素敵だなと。

ちゃんと会社の将来を見据えて事業に取り組むんだって姿勢が分かりますから。

事業に対する真摯さって何気に定款で伝わるもんです。

 

とはいえ、ネットでの法人設立サービスが増えるほどに、最低限の内容になる定款が増えるんだろうなぁ。

それが悪いというわけじゃなく、事業を始めて数年経つと、見直しが必要になる定款が溢れるんだろうなぁと。

その時に、また濃い血液が流れて会社の体温が感じられる定款にしてほしいもんですね。

 

電子定款で作成している我が身としては、最後に署名をするときは緊張するのであります。

その緊張感を忘れずに業務に向かえる専門家でありたいなと、イイハナシダナーな雰囲気を醸し出しておきましょう。

 

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